2010年02月25日

それぞれの苦しみ

それぞれの苦しみ

ピカピカ 同じ空の下で ピカピカ



人間である限り それぞれみんな
何かしらの悩みや 苦しみを抱えて生きている
のだと思います。

わたし自身 今は元気です。
でもこれから先 いつどんな病に倒れるやも知れません。
あるいはその前に 高齢の母がいつ認知症を発症して
そのとき どう対処すればいいのか?という不安もあります。
今のところわたしも母も まだ老老介護には至っていないのは
ほんとうに ありがたいことです。


わたしの周りには 深刻な悩みを抱えていらっしゃる方も多く
その方の苦悩は いつでも自分にも起こり得る苦しみでもあり
身につまされる思いです。

働き盛りの五十代で 次から次へと癌が見つかり
何度も手術を受けても また転移・・・
抗がん剤の副作用と闘いながらも 海外出張を含め
仕事をこなさなければならない方
心身ともに とても辛く苦しいことだと察します。

また 認知症のお母様との壮絶な日々を
「なんで? なんでこんなことが解らないの~?」
と悲痛な叫びを記す方の 日記を読むたびに心が痛くなります。


このお二人に共通しているのが
その状況を克明に観察して 書き残すという行為なのです。

書くことで 少しは楽になるのだとは思いますが 
つねに意識がそこへと 集中してはその苦悩を「引き寄せ」ている
わたしには そんな気がしてなりません。

できれば 「癌闘病記」も「介護日記」も止めて
意識をそこから 引き離してみた方が心にも身体にも
いいような気がしてなりません。

でも その苦悩はその人のもので実際に身を削り
心を消耗させているのは 当のご本人たちであって
共感し思いやることはできても わたしの痛みではないので 
とやかく言えることではない・・・そのことが辛い。


苦しみの根本原因とは いったいどこにあるのでしょうか?

瀬戸内寂聴さんの『般若心経の説法』で解りやすく解説されて
いるのでまとめてみました。


この世における一切の苦しみを表した言葉に
「四苦八苦」があります。
「四苦」とは 生・老・病・死 

さらに
愛別離苦 (愛する者に別れる苦)
怨憎会苦 (怨み憎む者とも出会わなければならない苦)
求不得苦 (欲して求めても得ることができない苦)
五蘊盛苦 (色・受・想・行・識から生じる苦痛が盛んになる苦)
この四苦を加えて 八苦となる。


五蘊とは
色 (ここでは肉体 形あるもののこと)
受 (感受作用 目でみて感じること)
想 (知覚作用)
行 (意志の作用)
識 (認識すること)
色と受と想が結びついて認識が起こり
行は それを結び付ける作用と考える。
物があれば認識があるわけで
認識は心 と解釈することもできる。



人間である以上 この「四苦八苦」から解脱するのは難しことですね。

だからこそ その「四苦八苦」を ありのまま認めてしまう・・・
流れる川に棹を差すのではなく 川の流れに身を任せて
やがて往きつくであろう 大海へ意識を向けた方が少しは楽になるのかも
知れませんね。


今日も ありがとうございます。



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