「事実は小説より奇なり」その10

夕焼け小焼け

2010年12月19日 11:43

自分の夢を子どもに語ってこなかった親や、
子どもの悩みや喜びに耳を傾けなかった親は、
家族の一員ではなく見知らぬ他人も同然です。
  by アウグスト・クリ





高校生になった弟の面立ちは どちらかと言うと母親似だった。

別れ別れにになるまで 忙しい母に代わって
学校から帰ると わたしの背にはランドセルの代わりに
いつもこの弟が括りつけられ お寺の境内でドッチボールを
するときも 木登りをするときも ふたりはいつも一緒・・・
いま考えると よくも怪我をしなかったものだと怖ろしい~
オムツだって替えたし お腹が空いたと泣けば
あかぎれの掌に 味噌をこすりつけ麦飯を握って食べさせもした。

なので 彼に対しては姉というよりむしろ 母親に近い感覚
だったのかも知れないな
ということは わたしの母性本能はわずか7~8歳で
芽生えたことになるのか~??(笑)

その弟は 信州に連れられて行ったあと養子に出されて
周囲のおとなたちから 「母親は死んだ」とだけ教えられ
養子先では 養父母が事あるごとに養子を迎えたことを
本人を前に自慢していたという。 
のちに聴くところでは そのことが何より嫌だったそうだ。

上の弟は生真面目 下の弟はひょうきん者 
持って生まれた このパーソナリティーが 今現在の弟たちに
長い空白の時間を超えても 残滓としてその性格を形作って
いるのが 嬉しくもあり人間の不思議さを実感する。


今日も ありがとうございます。

関連記事